特集 膵神経内分泌腫瘍update
6 .膵神経内分泌腫瘍のUS,EUS
肱岡 範
1
,
坂本 康成
1
,
近藤 俊輔
1
,
森実 千種
1
,
水口 安則
2
,
奥坂 拓志
1
1国立がん研究センター中央病院肝胆膵内科
2国立がん研究センター中央病院放射線診断科
キーワード:
膵神経内分泌腫瘍
,
US
,
EUS-FNA
,
WHO分類
Keyword:
膵神経内分泌腫瘍
,
US
,
EUS-FNA
,
WHO分類
pp.1127-1138
発行日 2018年7月20日
Published Date 2018/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000468
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膵神経内分泌腫瘍(pancreatic neuroendocrine tumors/neoplasm;PNETs/NEN)は,US,EUSの典型例では境界明瞭で内部均一な腫瘍として捉えられ,比較的小さくても見つけやすい印象がある一方で,インスリノーマやガストリノーマのように,機能性腫瘍によるホルモン症状を呈しながらも,腫瘍が小さいために発見できないこともまれではない.また,NET G3やNEC G3の典型例は高分化PNETsの典型像とはかけ離れ,浸潤性膵管癌や腺房細胞癌に類似した画像所見を呈する.このようにPNETsは,G1からNECまでスペクトラムの広い疾患であるため,画像所見が多岐にわたり,また非典型例も多く存在する.最終的には,画像診断のみではなく,EUS—FNAなどの組織診断と併せた総合的な診断が必要な場合も多い.また,PNETsの組織診断には悪性度診断も要求される.昨年改訂されたWHO 2017分類でのNET G1~G3とNEC G3を正しく理解することが,もっとも重要である.
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