Japanese
English
特集 原発性肝癌診療ガイドラインを読み解く
I. 肝癌診療ガイドライン第5版
5.肝細胞癌に対する穿刺局所療法
Local ablation therapy for hepatocellular carcinoma
南 康範
1
,
工藤 正俊
1
Y. Minami
1
,
M. Kudo
1
1近畿大学消化器内科
キーワード:
肝細胞癌
,
ラジオ波焼灼療法
,
マイクロ波焼灼療法
,
エタノール注入療法
Keyword:
肝細胞癌
,
ラジオ波焼灼療法
,
マイクロ波焼灼療法
,
エタノール注入療法
pp.940-944
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka84_940
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
肝癌診療ガイドラインの改訂作業に先立って穿刺局所療法におけるクリニカルクエスチョン(CQ)の追加を検討したものの,最終的には前版のCQをそのまま引き継ぎ,推奨文もほぼ同じ記載となっている.ただし,本邦で実施されたSURF試験の結果をふまえて,治療アルゴリズムでは「3 cm以下・3個以下」の腫瘍条件においてラジオ波焼灼療法(RFA)が肝切除と同列で推奨されることになった.かつてRFAと肝切除の間で治療の優劣が熱く議論された時代もあったが,その議論には一定の決着がついたものと思われる.一方,穿刺局所療法に残された課題として3 cmを超える肝細胞癌への適応拡大やマイクロ波焼灼療法(MWA)に関するエビデンスの集積,RFAデバイス間の治療比較,バルーン閉塞下の焼灼治療,精度の高い焼灼療法(precise ablation)に寄与するfusion imagingガイドのさらなる発展などをあげることができ,本邦よりエビデンス構築に貢献する研究報告が今後も続くことを期待したい.
© Nankodo Co., Ltd., 2022