特集 脂肪肝の新概念:MASLD
4.MASHの病態(2)MASLD/MASHの病態進展における脂質代謝の影響
今 一義
1
1順天堂大学医学部消化器内科
キーワード:
脂肪酸不飽和化酵素
,
脂肪毒性
,
多価不飽和脂肪酸
,
脂質代謝障害関連脂肪肝炎
Keyword:
脂肪酸不飽和化酵素
,
脂肪毒性
,
多価不飽和脂肪酸
,
脂質代謝障害関連脂肪肝炎
pp.762-767
発行日 2024年6月20日
Published Date 2024/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003077
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過剰な脂質によって生じる「脂肪毒性」はMASLD/MASHの病態形成の過程で中心的な役割を果たす.脂肪毒性の発現には脂肪酸の量と質の要素が関与しており,摂取する脂質の内容だけでなく,生活習慣や加齢,環境などによる脂質代謝の変調が脂肪肝炎の病態形成に関与する.体内のde novo脂肪酸合成による飽和脂肪酸の産生,脂肪酸不飽和化酵素(FADS)による多価不飽和脂肪酸の不飽和化の制御は脂肪毒性の増減に直結する要素であり,とくにFADS2の発現低下は加齢による脂肪肝炎の増悪の一因となり,FADS2遺伝子のSNPs変異は脂肪肝炎の線維化進展に寄与しうる.
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