特集 脂肪肝の新概念:MASLD
4.MASHの病態(1)肝臓内エネルギー代謝とVLDL分泌抑制
嘉数 英二
1
1国立国際医療研究センター肝炎・免疫研究センター肝疾患研究部
キーワード:
代謝異常関連脂肪性肝疾患
,
超低密度リポプロテイン
,
アミノ酸
Keyword:
代謝異常関連脂肪性肝疾患
,
超低密度リポプロテイン
,
アミノ酸
pp.757-761
発行日 2024年6月20日
Published Date 2024/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003076
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代謝異常関連脂肪性肝疾患・肝炎(MASLD/MASH)の病態には,過剰な栄養摂取に対する全身の臓器・器官での糖・脂質・アミノ酸代謝が深く関係する.とくに肝臓は体内の栄養恒常性を保つ最重要臓器であり病態への関与は大きい.MASHでは肝臓での代謝産物の流入と排出のバランスが崩れることにより肝細胞が脂肪変性をきたし,炎症・線維化が惹起される.肝臓から全身への脂質輸送は超低密度リポプロテイン(VLDL)により行われ,初期のMASLDでは肝臓からのVLDLの分泌が亢進しているが,MASHでは逆に低下することが知られている.しかし,その分泌制御には不明な点が多い.
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