特集 脂肪肝の新概念:MASLD
4.MASHの病態(3)MASLDと脂肪酸組成の関係
三宅 映己
1
,
古川 慎哉
2
,
日浅 陽一
1
1愛媛大学大学院消化器・内分泌・代謝内科学
2愛媛大学総合健康センター
キーワード:
脂肪酸組成
,
代謝異常関連脂肪性肝疾患
,
代謝異常関連脂肪肝炎
Keyword:
脂肪酸組成
,
代謝異常関連脂肪性肝疾患
,
代謝異常関連脂肪肝炎
pp.768-772
発行日 2024年6月20日
Published Date 2024/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003078
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代謝異常関連脂肪性肝疾患(MASLD)は,中性脂肪が肝臓に蓄積することによって引き起こされ,その中性脂肪の構成成分である脂肪酸は,脂肪肝の発症だけでなく,肝臓の炎症や線維化にも影響を及ぼす.血漿中や肝臓内の脂肪酸組成は,代謝異常関連脂肪肝炎(MASH)の組織学的所見と有意な関連がみられ,脂肪酸の合成や不飽和化の増加は肝炎の活動性と関連があり,n-3系多価不飽和脂肪酸の摂取不足や脂肪酸の伸長の低下は線維化進行と関連があった.これらの特徴は,線維化の進行症例や活動性の高い症例の囲い込み,食事療法を中心とした治療介入に役立つと考えられる.
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