特集 門脈圧亢進症に対する診療
3.門脈圧亢進症のおもな合併症―診療の実際(1)食道・胃噴門部静脈瘤に対する内視鏡治療
中村 純
1,2
,
引地 拓人
1
,
加藤 恒孝
1,2
,
入江 大樹
2
,
小橋 亮一郎
1,2
,
橋本 陽
1,2
1福島県立医科大学附属病院内視鏡診療部
2福島県立医科大学医学部消化器内科学講座
キーワード:
門脈圧亢進症
,
食道静脈瘤
,
内視鏡的硬化療法
,
内視鏡的静脈瘤結紮術
Keyword:
門脈圧亢進症
,
食道静脈瘤
,
内視鏡的硬化療法
,
内視鏡的静脈瘤結紮術
pp.1495-1503
発行日 2021年10月20日
Published Date 2021/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001995
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
食道・胃静脈瘤は門脈圧亢進症の合併症であるが,出血を契機に肝不全をきたしやすく,大量出血では致命的となる.したがって,食道・胃静脈瘤からの出血時には緊急内視鏡による即座の止血が必要である.胃噴門部小彎の静脈瘤は食道静脈瘤と連続しており,一連のものとして治療を行う.食道静脈瘤出血では内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)で止血を行う.また,待期例ならびに予防例では,肝予備能を評価しながらEVLあるいは内視鏡的硬化療法(EIS)を施行して再発の防止を図る.食道・胃静脈瘤に対しては,患者の病態と門脈血行動態を十分に把握したうえで,安全かつ効果的な治療を遂行することが重要である.
Copyright © 2021, Nihon Medical Centers, Inc. All rights reserved.