特集 あなたの知らないIBD診療の世界
3.合併症と内視鏡・外科的アプローチ(3)UC関連腫瘍に対する内視鏡的アプローチ
西尾 匡史
1,2
,
平澤 欣吾
1
,
国崎 玲子
2
,
前田 愼
3
1横浜市立大学附属市民総合医療センター内視鏡部
2横浜市立大学附属市民総合医療センター炎症性腸疾患(IBD)センター
3横浜市立大学消化器内科
キーワード:
潰瘍性大腸炎
,
潰瘍性大腸炎関連腫瘍
,
サーベイランス
,
内視鏡的粘膜下層剝離術
,
内視鏡的粘膜切除術
Keyword:
潰瘍性大腸炎
,
潰瘍性大腸炎関連腫瘍
,
サーベイランス
,
内視鏡的粘膜下層剝離術
,
内視鏡的粘膜切除術
pp.448-453
発行日 2023年3月20日
Published Date 2023/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002575
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長期罹病期間を有する潰瘍性大腸炎(UC)は大腸癌の高リスク因子であり,発症8年以上経過した全大腸炎型・左側大腸炎型UCではサーベイランス内視鏡が必要である.サーベイランスでは色素内視鏡での狙撃生検が推奨されている.サーベイランスで発見された腫瘍は,それが散発性腫瘍(SN)であれば内視鏡的切除,UC関連癌・high-grade dysplasiaであれば大腸全摘術の適応である.SNかUC関連腫瘍かの鑑別困難な病変では診断的な内視鏡的切除が許容される.内視鏡的切除では,従来の粘膜切除術に加え,最近では内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)の有用性が示されている.ESDでは高度線維化病変の治療が可能,かつ腫瘍周囲の背景粘膜の評価が可能な点で優れているが,術中穿孔リスクも高いため,熟練医が行うべきである.
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