特集 あなたの知らないIBD診療の世界
3.合併症と内視鏡・外科的アプローチ(4)UCに対する治療薬の進歩と手術の変遷
内野 基
1
1兵庫医科大学消化器外科学講座炎症性腸疾患外科
キーワード:
潰瘍性大腸炎
,
手術
,
手術適応
,
生物学的製剤
Keyword:
潰瘍性大腸炎
,
手術
,
手術適応
,
生物学的製剤
pp.454-459
発行日 2023年3月20日
Published Date 2023/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002576
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炎症性腸疾患(IBD)に対するさまざまな治療薬が開発され,手術回避や長期維持に貢献している可能性がある.一方で,薬剤の進歩による問題点やさまざまなアウトカムの変化も意識しておく必要がある.今回,潰瘍性大腸炎(UC)に対する薬物治療の進歩とともに手術の変遷について検討した.治療薬の進歩によるものとは断言できないが,年々,難治での手術症例は減少していた.一方で長期経過例が増加しているためか,癌/dysplasiaでの手術症例は増加している.緊急手術を要する症例は変化していなかったが,新規治療薬が手術回避に貢献できていないのか,治療タイミングにより回避できていないのかは不明で今後も検討が必要である.現在のところ治療選択の明確な判断材料は乏しく,適切な手術タイミングは個々の症例で考える必要がある.
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