連載 内視鏡の読み方
潰瘍性大腸炎関連腫瘍の診断とサーベイランス
石川 直樹
1
,
坂本 琢
1
,
秋山 慎太郎
1
,
大和 万里子
2
,
松原 大祐
2
,
土屋 輝一郎
1
1筑波大学附属病院消化器内科
2筑波大学附属病院病理診断科
キーワード:
潰瘍性大腸炎関連腫瘍
,
散発性腫瘍
,
サーベイランス
Keyword:
潰瘍性大腸炎関連腫瘍
,
散発性腫瘍
,
サーベイランス
pp.257-262
発行日 2025年1月20日
Published Date 2025/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003358
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潰瘍性大腸炎(UC)は寛解と再燃を繰り返す炎症性疾患であり,腸管が長期間の炎症に曝露されることで潰瘍性大腸炎関連腫瘍(UC associated neoplasia;UCAN)を発症する.UCANは散発性腫瘍(sporadic neoplasia;SN)と異なり,周囲の腸管に炎症があるため,存在診断や範囲診断に難渋することも少なくない.UCANは異時性癌のリスクが高く,大腸全摘術を考慮する必要があることからも,両者の鑑別は重要となる.近年では,UCANに対する内視鏡的粘膜下層剝離術(endoscopic submucosal dissection;ESD)の有効性が複数報告されており,早期発見により大腸全摘を避けられる可能性があることからも,UC患者において適切なサーベイランスを行うことが重要である.
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