特集 分子標的時代のIBD 診療 ―IBD の寛解導入,寛解維持の実践
3.IBD 治療における寛解導入と寛解維持に関するトピック(5)UC 関連腫瘍の早期診断と治療
山村 健史
1
,
中村 正直
1
,
前田 啓子
2
,
澤田 つな騎
2
,
石川 恵里
1
,
喜田 裕一
1
,
古川 和宏
1
,
川嶋 啓揮
2
,
藤城 光弘
1
1名古屋大学大学院消化器内科学
2名古屋大学医学部附属病院光学医療診療部
キーワード:
潰瘍性大腸炎関連腫瘍
,
孤発性腫瘍
,
内視鏡診断
,
内視鏡治療
,
予後
Keyword:
潰瘍性大腸炎関連腫瘍
,
孤発性腫瘍
,
内視鏡診断
,
内視鏡治療
,
予後
pp.1267-1273
発行日 2020年8月20日
Published Date 2020/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001325
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潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis;UC)の炎症から発生するUC 関連腫瘍と孤発性腫瘍は治療法が異なり,鑑別が必要となるが困難な場合をよく経験する.UC 関連腫瘍は近年長期罹患患者の増加や内視鏡技術の進歩により遭遇する機会が増加しており,その対応は早急な課題である.内視鏡診断では従来の通常腫瘍に使用していたJNET 分類やpit pattern 分類(工藤・鶴田分類)を用いても診断が困難な病変があり,各モダリティーにおける診断方法の特徴を知る必要がある.内視鏡治療においてはSCENIC 国際コンセンサスステートメントと日本のガイドラインで適応病変が異なり,どのような治療法が良いのか統一の見解はない.今後は予後を含めた検討を行い,内視鏡治療の適応病変や,切除後のサーベイランス方法を取り決めることが重要である.
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