特集 膵癌の早期診断 ―診療ガイドラインの改訂を踏まえて
[コラム]膵癌早期診断に向けた患者会の活動
眞島 喜幸
1
1NPO法人パンキャンジャパン
pp.210-212
発行日 2023年1月20日
Published Date 2023/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002516
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
「膵臓がんアクションネットワーク(略称:PanCan,パンキャン)」は1999年に3人の遺族によって設立された世界最大の膵臓癌患者支援団体である.代表(CEO)のJulie Fleshmanのリーダーシップにより,全米15,000人以上のボランティアが政策提言活動を続けたことにより,米国国立がん研究所(NCI)の膵臓癌研究費は10年間で10倍に増額された.1999年当時は1,700万ドル(17億円)しかなかった膵臓癌研究費が10倍の1億7,000万ドル(170憶円)になったことから,研究費増額に比例して5年生存率も4%から9%へと向上し2020年には念願の10%に到達した.米国パンキャン本部では2030年の目標を20%にセットして次なる活動を開始している.① NCIの膵癌予算を増額するナショナルアドボカシーデー活動,② 転移性膵癌患者のゲノム医療の治療選択肢を増やすKnow Your Tumorプロジェクト,③ 成人発症型糖尿病患者を追跡調査し,早期発見に繫げるコホート研究(EDI)プロジェクト,④ 転移性膵癌患者の治療選択肢を増やす患者会主導型臨床試験(Precision Promise).
Copyright © 2023, Nihon Medical Centers, Inc. All rights reserved.