いわゆる"早期の膵癌"-その発生機序と診断
"早期の膵癌"の診断 ERCPによる早期膵癌の診断
古賀 英彬
1
,
真口 宏介
,
潟沼 朗生
,
矢根 圭
,
金 俊文
,
高橋 邦幸
1手稲渓仁会病院 消化器病センター
キーワード:
細胞診
,
上皮内癌
,
膵臓腫瘍
,
内視鏡的逆行性胆道膵管造影
,
腫瘍の早期診断
,
組織診
,
内視鏡的経鼻的膵管ドレナージ
Keyword:
Carcinoma in Situ
,
Cholangiopancreatography, Endoscopic Retrograde
,
Cytodiagnosis
,
Pancreatic Neoplasms
,
Early Detection of Cancer
pp.1721-1726
発行日 2016年11月20日
Published Date 2016/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2017095244
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膵癌早期診断の観点からERCPの適応としては,主膵管の限局性狭窄,主膵管に影響を及ぼす小腫瘤,EUS-FNA陰性だが癌を疑う場合などである.Stage I膵癌のERP所見は主膵管・分枝膵管の不整狭窄,狭窄部から拡張部への急峻な移行,主膵管の硬直化が特徴である.一方,Stage 0膵癌のERP所見は主膵管狭窄がみられるものの狭窄長・形態はさまざまであり,かつ硬直化所見は認めず,尾側膵管の拡張も軽度であり,良性膵管狭窄との鑑別は困難なことが多い.このためStage 0膵癌の診断にはENPD留置下膵液細胞診が重要となる.ENPD先端を狭窄部より尾側に留置し,複数回の連続細胞診の提出が留意点である.
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