特集 いま話題の5歳児健康診査を詳しく学ぶ
各論 5歳児健診そのあとに―フォローが大切!
【コラム】「気になる子ども」への早期の気づきと支援に向けて
小川 弓子
1
OGAWA Yumiko
1
1福岡市立心身障がい福祉センター小児科
pp.709-715
発行日 2025年5月1日
Published Date 2025/5/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002417
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はじめに
福岡市では福岡市立心身障がい福祉センターをはじめとして各地区に設けられた療育センターにおいて,長年福岡市内の就学前の子どもたちの発達相談を行っている。昨今,各センターの受診児数は増加の一途をたどっており,国内外で報告されているように1)その多くは発達障害の特性をもった子どもたちである。とくに3歳以降では,幼稚園や保育園からの紹介が増加しており,言葉の遅れや集団での不適応を主訴に受診している。一方,各園の担当者からも「どう対応したらいいか」,「どのタイミングで受診につなげたらいいか」などの相談も多く寄せられている。その状況をふまえ,福岡市医師会に設けられている保育園・幼稚園保健部会のスタッフと,当福祉センター療育スタッフとが協働して,年少から就学前の子どもたちを対象に「発達が気になる子どもの理解と適切な支援の導入に向けて~保育園・幼稚園の保育者への皆様へ~」(図1)という小冊子が作られ,市内のすべての保育施設,かかりつけ医へ配布された。各方面から「子どもの発達特性が理解しやすい」,「紹介手順がわかりやすい」との感想が多く寄せられたため,本稿ではその概要を紹介する。

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