連載 内視鏡の読み方
Brunner腺過形成
鳥谷 洋右
1
,
遠藤 昌樹
1,2
,
永塚 真
1
,
菅井 有
3
,
松本 主之
1
1岩手医科大学医学部内科学講座消化器内科分野
2開運橋消化器内科クリニック
3岩手医科大学医学部病理診断学講座
キーワード:
十二指腸
,
Brunner腺
,
過形成
Keyword:
十二指腸
,
Brunner腺
,
過形成
pp.959-963
発行日 2022年7月20日
Published Date 2022/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002277
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Brunner腺は十二指腸粘膜深層から粘膜下層に存在し,球部に多く肛門側で減少する.これまでにBrunner腺腫と診断されている病変の多くは,組織学的には過形成である場合が多く,真の腫瘍性病変はまれである.Brunner腺過形成に代表される十二指腸乳頭口側の限局性病変の診断においては,上皮性腫瘍との鑑別が重要となる.しかしながら,内視鏡診断のみでは鑑別困難な病変も少なくない.一方,表在型十二指腸非乳頭部上皮性腫瘍では,先行する生検による線維化のためその後の内視鏡治療が困難となることが報告されている.したがって,正確な内視鏡診断を行い不必要な生検を回避することが,その後の内視鏡治療において重要といえる.
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