発行日 2012年11月1日
Published Date 2012/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013083889
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66歳男。約20年前に十二指腸ポリープを指摘されたが放置していた。今回、上腹部痛で近医に受診し、白血球増加、肝機能障害および発熱に対し、抗生剤点滴が行われ、症状は消失したが、3日後に皮膚の黄染を認めたため紹介となった。腹部CTにて十二指腸下行部に茎を有し、水平部に辺縁平滑で増強効果を呈す約42×25mmの腫瘤を認めた。上部消化管内視鏡検査では、球部前壁に基部を有する有茎性のポリープを認め、頭部の口側で上十二指腸角の皺襞が接した部分に約10mmの浅い潰瘍を認めた。頭部は生検鉗子により胃内への移動が困難であることを確認した。採取不能な粘膜下層は、低緊張十二指腸造影にて下行部に有茎性ポリープを認めた。腹部MRIでは十二指腸下行部から水平部にT1強調画像、T2強調画像で等信号の腫瘤を認めた。ポリープ生検では異型細胞は認められず、Brunner腺過形成が疑われた。内視鏡治療では幽門輪通過が困難で、十二指腸切開にてポリープを切除摘出した。病理所見では40×35mm大の粘膜下組織でBrunner腺が著明に増生拡張しBrunner腺過形成と診断した。術後経過は良好で退院した。
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