特集 門脈圧亢進症に対する診療
4.門脈圧亢進症をきたす特殊な疾患に対する診療(1)特発性門脈圧亢進症
柿沼 晴
1,2
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科疾患生理機能解析学
2東京医科歯科大学消化器内科
キーワード:
食道・胃静脈瘤
,
脾機能亢進
,
側副血行路
,
結節性再生性過形成
Keyword:
食道・胃静脈瘤
,
脾機能亢進
,
側副血行路
,
結節性再生性過形成
pp.1561-1568
発行日 2021年10月20日
Published Date 2021/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002004
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特発性門脈圧亢進症は,門脈圧亢進,脾腫,貧血を示し,その原因となる肝硬変,肝外門脈・肝静脈閉塞などの他の明らかな原疾患を証明しえない疾患(症候群)として定義される.肝内門脈の終末枝レベルの微小血栓が原因との説や,自己免疫疾患の合併頻度が高いことから,免疫異常が原因の一つとの説もあるが,病態機序には不明の点が多く残されている.根治的な治療法がないことからも,厚生労働省による指定難病対象疾病に指定されている.本症は,通常肝硬変に進行することはなく,肝細胞癌の発癌母地にもならないため,食道・胃静脈瘤などの門脈圧亢進症に対する治療を行ってコントロールすることで,予後は比較的良好である.
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