特集 門脈圧亢進症に対する診療
4.門脈圧亢進症をきたす特殊な疾患に対する診療(2)肝外門脈閉塞症の診断と治療―門脈血行異常症ガイドラインをもとに
古市 好宏
1,2
1新座志木中央総合病院消化器内科
2東京医科大学消化器内科学分野
キーワード:
肝外門脈閉塞症
,
門脈圧亢進症
,
食道・胃静脈瘤
,
内視鏡的硬化療法
,
内視鏡的結紮術
Keyword:
肝外門脈閉塞症
,
門脈圧亢進症
,
食道・胃静脈瘤
,
内視鏡的硬化療法
,
内視鏡的結紮術
pp.1569-1575
発行日 2021年10月20日
Published Date 2021/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002005
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
肝外門脈閉塞症とは肝門部を含めた肝外門脈の閉塞により門脈圧亢進症に至る症候群をいう.原発性と続発性に分類される.原発性の病因は未だ不明であるが,血管形成異常,血液凝固異常,骨髄増殖性疾患の関与が考えられている.確定診断時の年齢は10歳未満が一番多く,先天性・遺伝性要因の可能性が高い.原発性の場合,閉塞した門脈を根本的に開通させる方法はなく,予後を最も左右するものは,消化管静脈瘤出血である.出血例に対しては内視鏡的止血術(硬化療法,結紮術,組織接着剤注入)を行い,止血困難な場合には緊急手術も考慮する.3~7年生存率は90~98%,10年生存率は69~86%と報告されており,生命予後は良い.
Copyright © 2021, Nihon Medical Centers, Inc. All rights reserved.