特集 門脈圧亢進症に対する診療
3.門脈圧亢進症のおもな合併症―診療の実際(2)孤立性胃静脈瘤の診断と治療―内視鏡治療を中心に
永島 一憲
1
,
入澤 篤志
1
,
有阪 高洋
1
,
眞島 雄一
1
,
飯島 誠
1
1獨協医科大学医学部内科学(消化器)講座
キーワード:
孤立性胃静脈瘤
,
cyanoacrylate系組織接着剤
,
EUSガイド下コイル留置術
,
B-RTO
Keyword:
孤立性胃静脈瘤
,
cyanoacrylate系組織接着剤
,
EUSガイド下コイル留置術
,
B-RTO
pp.1504-1511
発行日 2021年10月20日
Published Date 2021/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001996
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孤立性胃静脈瘤からの出血は致死的となるため,その出血管理や予防治療を行うことは非常に重要である.孤立性胃静脈瘤に対する内視鏡治療においては,造影CTや造影MRIにEUSを組み合わせて,門脈圧亢進症の病態・血行動態を事前に評価することで安全かつ効果的な治療が可能になる.出血時にはcyanoacrylate (CA)系組織接着剤での止血が第一選択である.予防・待期的な治療としては,バルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術で治療されることが多いが,従来からのCA・ethanolamine oleate併用法による内視鏡治療も行われている.また,近年ではEUSを用いたコイル留置術が報告されている.いずれにしても,治療に際しては門脈血行動態の確実な理解が求められる.
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