Japanese
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特集 内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)
内視鏡的静脈瘤結紮術後の食道壁の病理学的検討—内視鏡的硬化療法との相違について
Pathological studies of esophageal wall after endoscopical variceal ligation-with difference on endoscopic injection sclerotherapy
荒川 正博
1
,
秋吉 信男
2
,
久原 克彦
2
,
古川 浩
2
1大牟田市立病院病理
2福岡大学医学部第1内科
キーワード:
食道静脈瘤
,
内視鏡的静脈瘤結紮術
,
内視鏡的硬化療法
,
食道壁
Keyword:
食道静脈瘤
,
内視鏡的静脈瘤結紮術
,
内視鏡的硬化療法
,
食道壁
pp.445-449
発行日 1994年4月20日
Published Date 1994/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901521
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内視鏡的静脈瘤結紮術(以下,EVL)治療後の3剖検例の食道壁の組織学的変化を呈示し,内視鏡的硬化療法(以下,EIS)治療後のそれと比較し検討を行った.EVL例では,2〜3週間以内では静脈瘤が結紮により壊死に陥り潰瘍形成がみられるが,この深さは粘膜下層にとどまっており,固有筋層にまで及ぶ例はみられなかった.この結紮部に静脈瘤が残存しているものもあり,赤色血栓がみられた.治療1か月を過ぎた場合では,静脈瘤が消失した例では粘膜筋板消失部に線維化が強くみられ,消失していない例では静脈瘤に器質化血栓がみられた.しかし,血栓の範囲は結紮部の上下に明らかでなく,治療していない静脈瘤には変化なく,これらの変化はEISの治療目標である静脈瘤の完全消失には遠く,再発しやすいことが推察された.
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