特集 門脈圧亢進症に対する診療
2.門脈圧亢進症の診断
直江 秀昭
1
,
立山 雅邦
1
,
田中 靖人
1
1熊本大学大学院生命科学研究部消化器内科学
キーワード:
hepatic venous pressure gradient (HVPG)
,
clinically significant portal hypertension (CSPH)
,
非侵襲的診断法
,
肝硬度測定
,
脾硬度測定
Keyword:
hepatic venous pressure gradient (HVPG)
,
clinically significant portal hypertension (CSPH)
,
非侵襲的診断法
,
肝硬度測定
,
脾硬度測定
pp.1487-1493
発行日 2021年10月20日
Published Date 2021/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001994
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門脈圧亢進症は門脈系の圧が上昇した状態であり,肝静脈圧較差(HVPG)>5 mmHgと定義されている.しかし,カテーテル操作を必要とするHVPGは侵襲的な検査であり,日常臨床における評価法としては限界がある.近年,非侵襲的な門脈圧亢進症の診断法が数多く開発されている.おもに肝線維化の程度により間接的に門脈圧亢進を診断するものが多く,血清マーカーのほか,生化学的検査の組み合わせによるスコアリングシステム,画像診断など多岐にわたる.これらのなかには,HVPGや食道静脈瘤と強い相関関係を示し,門脈圧亢進症の診断法として使用可能なものも存在する.なかでも,超音波elastographyを用いた肝硬度測定と脾硬度測定は,汎用性の高い有望な検査法である.
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