特集 胆管癌診療の現況
13.肝内胆管癌の診断・治療のトピックス
有泉 俊一
1
,
山本 雅一
2
1東京女子医科大学消化器・一般外科
2社会医療法人中山会宇都宮記念病院
キーワード:
肝内胆管癌
,
診療ガイドライン
,
手術適応
,
術後補助化学療法
,
術前化学療法
Keyword:
肝内胆管癌
,
診療ガイドライン
,
手術適応
,
術後補助化学療法
,
術前化学療法
pp.1459-1463
発行日 2021年9月20日
Published Date 2021/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001975
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「肝内胆管癌診療ガイドライン(2021年版)」が発刊され,肝内胆管癌の治療アルゴリズムも作成された.肝内胆管癌の手術成績は改善し,とくに最適な手術適応である単発かつリンパ節転移陰性の5年生存率は約60%に達する.一方,多発(肝内転移)かつリンパ節転移陽性では5年生存が見込めず手術非適応である.単発かつリンパ節転移陽性であれば手術成績は改善し5年生存率は約30%であり,ボーダーライン手術適応である.多発(肝内転移)かつリンパ節転移陰性も5年生存率約30%であり,ボーダーライン手術適応である.近年,根治手術例では術後補助化学療法の有用性が報告され,新しい診療ガイドラインでも推奨された.しかし術前化学療法(ネオアジュバント)については確立しておらず今後の検討が必要である.2021年より分子標的治療薬が保険適用となり,切除後再発に対する新たな治療として期待される.
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