Japanese
English
特集 消化器の“前癌病変”と“ハイリスク病変”
肝内結石症に合併する肝内胆管癌
Intrahepatic cholangiocarcinoma in patients with hepatolithiasis
内山 和久
1
,
谷村 弘
1
,
大西 博信
1
,
山崎 茂樹
1
Kazuhisa UCHIYAMA
1
1和歌山県立医科大学第2外科
キーワード:
肝内結石
,
肝内胆管癌
,
疫学調査
Keyword:
肝内結石
,
肝内胆管癌
,
疫学調査
pp.199-202
発行日 1997年2月20日
Published Date 1997/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902642
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筆者らが行った全国疫学調査によると,肝内結石症における肝内胆管癌の合併は4.2%(2,375例中100例)に認められた.胆管癌を合併した肝内結石症の特徴を非合併例と比較すると,性別ではいずれも男女比1:1.3と差はなかったが,平均年齢は胆管癌合併例では67.7歳と非合併例より10歳高齢であった.
病型分類ではL型が60%も占め,I型が61%と癌非合併の47%より多く,IE型を含めると90%を越えた.しかし,成分95%以上の肝内コレステロール胆石症には胆管癌の合併率は3.8%と通常のビリルビンカルシウム石合併例に比較して少なかった.
肝内結石症の初回治療後10年以上の経過観察症例の中に胆管癌を発生したのは9例あった.遺残結石を有する症例が6例もあり,癌発生までの期間は10年以上が多く,肝内結石症ではその治療後も十分な経過観察が必要不可欠であることが判明した.
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