Japanese
English
特集 肝胆膵の悪性腫瘍の早期診断をめざして―ハイリスクグループの設定と画像診断
肝癌のハイリスクグループ
肝内結石症と肝内胆管癌
Cholangiocellular carcinoma and hepatolithiasis:impact of coexistence of hepatolithiasis on cholangiocarcinoma
高村 博之
1
,
佐藤 保則
2
,
中沼 安二
2
,
大田 哲生
1
Hiroyuki TAKAMURA
1
,
Yasunori SATOH
2
,
Yasuni NAKANUMA
2
,
Tetsuo OHTA
1
1金沢大学医学部 消化器・乳腺・移植再生外科
2金沢大学医学部 形態機能病理学
1Department of Gastroenterologic Surgery,Kanazawa University Graduate School of Medicine,Ishikawa
2Department of Human Pathology,Kanazawa University Graduate School of Medicine,Ishikawa
キーワード:
肝内結石症
,
肝内胆管癌
,
BilIN
Keyword:
肝内結石症
,
肝内胆管癌
,
BilIN
pp.173-182
発行日 2010年3月15日
Published Date 2010/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100244
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨
肝内結石症の肝内胆管癌合併率は2.5~10%程度1~7)であり,90%以上がおおむね結石存在部位に一致する7).肝内結石症に合併した肝内胆管癌は肝左葉に多く発生する.肝内結石症に合併する肝内胆管癌を早期に発見するためにはMD-CTによる詳細な評価8)が必要不可欠である.肝内結石症には肝内胆管癌の前癌病変・早期病変として,平坦型異型病変と乳頭状異型病変が認められる.これらは肝内胆管癌の多段階発癌を示すものであり,平坦型の胆管内異型病変はBilINと定義されている9,10).肝内結石症に合併する肝内胆管癌の多くが,BilINから浸潤癌へ移行するものと考えられている.一方,明瞭な線維性血管芯(fibrovascular core)を持つ乳頭状の増殖性病変から浸潤癌へ進行する例があり,これをIPNBと呼ぶ11,12).
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.