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はじめに
肝内胆管癌については「肝内胆管癌の肉眼分類と画像」としてすでに本誌第3巻5号(2001年)で特集が組まれている.「肝癌取扱い規約」1)に明示された腫瘤形成型,胆管浸潤型,胆管内発育型の3つの肉眼分類についてUS,CT,血管造影,MRI,MRCPのmodality別に要領よく画像診断の特徴がまとめられており,また外科治療成績についても詳しく述べられている.この特集で明らかになったことは,一口に肝内胆管癌といってもこの3つのタイプは画像,手術,予後など異なっていて,まるで別の疾患のようにさえ見えるということである.今回の特集では,前回の特集で明らかになった基本的知識を踏まえ,その4年後のup-to-dateを目的とした.したがって肉眼分類別に病理,画像,手術術式と成績について解説していただき,基本型のみならず多様な変異,特殊型についてもできるだけ言及していただくこととした.
用語の問題になるが,CCC(Cholangiocellular Carcinoma:胆管細胞癌)はHCC(Hepatocellular Carcinoma:肝細胞癌)に対応して用いられてきたために,HCCと類似している腫瘤形成型の肝内胆管癌だけを指すように思われてきた傾向がある.しかし病理学的には胆管上皮由来の癌を総称する用語であり,「原発性肝癌取扱い規約」にも“肝内胆管癌(胆管細胞癌)”として3つのタイプがひとまとめにされている.本特集でも同様に用いることにしたが,厳密に肝外胆管癌と区別するためにはintrahepatic CCCとすべきかもしれない.
さて本稿では序論として,まず初めに3つの肉眼型について基本的な解説を行い,次いで手術適応について考察を加える.
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