特集 肝硬変診療の新時代
3 .肝硬変合併症の診断と治療(3)肝性脳症の予防と治療
魚嶋 晴紀
1
,
日高 央
1
1北里大学医学部消化器内科
キーワード:
肝性脳症
,
潜在性脳症
Keyword:
肝性脳症
,
潜在性脳症
pp.1555-1563
発行日 2020年11月20日
Published Date 2020/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001447
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
肝性脳症は,門脈—大循環短絡路や肝細胞障害に伴い,アンモニアに代表される中毒物質の代謝・排除障害により発生する精神神経症状である.適切な治療介入のタイミングを理解するために,本邦で使用されている犬山シンポジウム昏睡度分類以外にも,West Haven CriteriaとISHENによる昏睡度分類を理解する必要がある.肝性脳症の予防と治療は,誘因となる中毒物質の除去,産生抑制,代謝促進が基本であり,症例によっては門脈—大循環短絡路の是正が必要となる.薬物療法では,非吸収性合成二糖類より始まり,分岐鎖アミノ酸,難吸収性抗菌薬,亜鉛およびカルニチン製剤を,患者の病態に合わせて選択することが必要である.
Copyright © 2020, Nihon Medical Centers, Inc. All rights reserved.