肝硬変-診断と治療の進歩
肝硬変治療の進歩 脳症の診断・治療
福井 博
1
1奈良県立医科大学 消化器・内分泌代謝内科
キーワード:
Branched-Chain Amino Acids
,
Ammonia
,
Lactulose
,
肝性脳症
,
神経心理学的検査
,
星状細胞
,
フリッカー融合
,
分類
,
高アンモニア血症
,
Rifaximin
Keyword:
Amino Acids, Branched-Chain
,
Astrocytes
,
Classification
,
Flicker Fusion
,
Hepatic Encephalopathy
,
Lactulose
,
Neuropsychological Tests
,
Hyperammonemia
,
Rifaximin
,
Ammonia
pp.429-434
発行日 2014年3月20日
Published Date 2014/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2014161245
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近年,肝性脳症の病態は脳内の星状膠細胞(astrocyte)に対するアンモニアと炎症の影響から論じられてきている.高アンモニア血症と炎症は相まって活性酸素種,活性窒素種,ベンゾジアゼピン受容体などを巻き込み,星状膠細胞の浮腫を引き起こす.肝性脳症は顕性脳症とミニマル脳症に分類されるが,ミニマル脳症を早期に診断するために,神経心理測定テストが種々工夫されており,今後コンピューターを用いる客観的かつ迅速な評価法がさらに進歩すると思われる.肝性脳症治療はラクツロースなどの二糖類と分岐鎖アミノ酸製剤を基本とするが,難吸収性抗菌薬の投与は新しい病態理論に立脚したもので,rifaximinの効果が期待される.
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