特集 門脈圧亢進症に対する診療
3.門脈圧亢進症のおもな合併症―診療の実際(6)肝性脳症
遠藤 龍人
1
,
佐藤 琢郎
2
,
小岡 洋平
2
,
吉田 雄一
2
,
柿坂 啓介
2
,
滝川 康裕
2
1岩手医科大学看護専門基礎講座
2岩手医科大学内科学講座消化器内科肝臓分野
キーワード:
肝硬変
,
肝性脳症
,
門脈−大循環短絡路
Keyword:
肝硬変
,
肝性脳症
,
門脈−大循環短絡路
pp.1533-1540
発行日 2021年10月20日
Published Date 2021/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002000
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肝性脳症は急性および慢性肝障害,門脈−大循環短絡路によって生じる意識障害をはじめとする精神神経症状の総称である.肝硬変では肝細胞機能低下の進展に加え,門脈圧亢進症に伴う側副血行路が生ずることにより発現し,患者のQOLは低下することから積極的な診断・治療を要する病態である.治療の基本は,誘因・増悪因子の是正とアンモニアを中心とした中毒物質の除去およびアミノ酸をはじめとする代謝異常の是正であり,合成二糖類や難吸収性抗菌薬などの薬物療法は誘因除去や栄養食事療法などの一般療法と並行して行う.治療効果や予後は肝細胞障害の程度に左右されることから,脳症発現時の肝の重症度判定が重要である.
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