特集 肝硬変診療の新時代
3 .肝硬変合併症の診断と治療(4)肝硬変におけるサルコペニアとその対策
川口 巧
1
,
新関 敬
1
,
松瀬 博夫
3
,
鳥村 拓司
1
,
橋田 竜騎
2,3
,
神谷 俊次
3
,
広田 桂介
3
,
永松 あゆ
4
,
中野 暖
1
,
堤 翼
1
,
山村 咲良
1
,
下瀬 茂男
1
1久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門
2久留米大学医学部整形外科学講座
3久留米大学病院リハビリテーション部
4久留米大学病院栄養部
キーワード:
筋力低下
,
筋萎縮
,
栄養
,
運動
,
マイオカイン
Keyword:
筋力低下
,
筋萎縮
,
栄養
,
運動
,
マイオカイン
pp.1564-1573
発行日 2020年11月20日
Published Date 2020/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001448
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サルコペニアは,身体機能もしくは筋力と骨格筋量が低下した状態である.サルコペニアは,肝硬変患者に高率に認められるだけでなく,肝発癌など予後に関わるさまざまなイベントの発症に関与する.近年,日本肝臓学会より肝疾患におけるサルコペニア判定基準が提唱された.また,サルコペニアに対する予防や治療法として,就寝前補食,分岐鎖アミノ酸やカルニチン補充療法の有用性も報告されている.さらに,運動療法の安全性や有効性も明らかになりつつある.本稿では肝硬変患者におけるサルコペニアの病態・診断と食事・栄養療法につき,本邦から報告された研究結果を中心に概説する.また,運動療法に関するわれわれの研究結果についても論述する.
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