発行日 2013年4月1日
Published Date 2013/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013197243
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83歳女。数年前より認知症にて投薬加療中に意識障害で入院を繰り返していたが、脳画像、脳波、Holter心電図および血液検査では異常を認めなかった。入院時の意識状態は傾眠傾向で、ALPが軽度上昇し、腹部CTでは肝内に多数の門脈肝静脈短絡を認めた。上部消化管内視鏡では胃内に小ポリープを認めたが、静脈瘤は認めなかった。上部腹部CT造影所見、アンモニア値の上昇、BTRの低値から、肝内多発門脈肝静脈短絡による肝性脳症と診断した。分岐鎖アミノ酸製剤の投与、lactulose経口投与および便秘管理により、意識状態は通常会話が可能な程度に改善し、アンモニア値も低下したが、意識障害改善直後には羽ばたき振戦が認められた。
©Nankodo Co., Ltd., 2013