特集 除菌後時代を迎えた胃癌診療 ―残された課題を巡って
2 .H. pylori 未感染胃癌を巡る課題(2)非噴門部胃癌と噴門部胃癌の臨床病理学的比較検討
向井 伸一
1
,
永田 信二
1
,
金子 真弓
3
,
朝山 直樹
1
,
青山 大輝
1
,
福本 晃
2
1広島市立安佐市民病院消化器内科
2広島市立安佐市民病院内視鏡内科
3広島市立安佐市民病院病理診断科
キーワード:
H. pylori 未感染胃癌
,
非噴門部胃癌
,
噴門部胃癌
Keyword:
H. pylori 未感染胃癌
,
非噴門部胃癌
,
噴門部胃癌
pp.1481-1486
発行日 2020年10月20日
Published Date 2020/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001423
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H. pylori 未感染胃癌(HpUIGC)の臨床病理学的特徴について非噴門部胃癌と噴門部胃癌の比較を中心に検討した.対象は当院で内視鏡治療および手術を施行しHpUIGC と判定した30 症例(1.1%)(非噴門部胃癌20 例,噴門部胃癌10 例).非噴門部胃癌/噴門部胃癌の比較において,壁深達度は非噴門部胃癌がT1,T4 に偏在し早期胃癌が多いのに対し,噴門部胃癌は進行胃癌が多い傾向を認めた.免疫染色では非噴門部胃癌は胃型形質が多い一方,噴門部胃癌は多様性を認めた.進行胃癌の予後は非噴門部胃癌が相対的に良好な傾向を認めた.H.pylori 未感染胃において非噴門部胃癌と噴門部胃癌は病態が異なり,非噴門部胃癌は低悪性度であることが示唆された.
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