特集 ピロリ菌陰性者にみられる胃疾患の診かた― 胃癌を中心に
2 .H. pylori 陰性者の判定法
平田 喜裕
1
1東京大学医学部附属病院消化器内科
キーワード:
H. pylori 未感染
,
既感染除菌後
,
自己免疫性胃炎
,
感染診断法
,
鑑別診断
Keyword:
H. pylori 未感染
,
既感染除菌後
,
自己免疫性胃炎
,
感染診断法
,
鑑別診断
pp.1435-1441
発行日 2017年9月20日
Published Date 2017/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000122
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H. pylori 感染率の低下と除菌治療の普及により,今後はH. pylori 陰性者が増加すると考えられている.H. pylori 陰性者には,未感染(正常),既感染除菌後,自己免疫性胃炎の症例が含まれる.いずれもH. pylori 感染診断は陰性になるはずであるが,実際にはさまざまな偽陽性を呈することがある.個別の感染診断に特徴的な偽陽性や偽陰性について注意が必要である.また内視鏡所見やペプシノーゲン値やガストリンなど血清検査を総合的に判断することで,より正確な診断が可能である.病態ごとに注意すべき悪性疾患が異なり,これらの症例を十分に鑑別することが重要である.
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