Japanese
English
症例報告
急速に隆起した先天性色素性母斑の1例
A case of rapidly elevated congenital nevus pigmentosus with unique pathological feature
浅野 雅之
1
,
奥山 隆平
1
,
橋本 彰
1
,
田上 八朗
1
,
相場 節也
1
,
加藤 泰三
2
,
安齋 眞一
3
Masayuki ASANO
1
,
Ryuhei OKUYAMA
1
,
Akira HASHIMOTO
1
,
Hachiro TAGAMI
1
,
Setsuya AIBA
1
,
Taizo KATO
2
,
Shin-ichi ANSAI
3
1東北大学大学院医学系研究科内科病態学皮膚科学分野
2薄場皮膚科
3札幌皮膚病理研究所
1Department of Dermatology,Tohoku University Graduate School of Medicine
2Usuba Dermatological Clinic
3Sapporo Institute for Dermatopathology
キーワード:
先天性色素性母斑
,
desmoplastic nevus
,
神経分化
,
リンパ球浸潤
,
悪性黒色腫
Keyword:
先天性色素性母斑
,
desmoplastic nevus
,
神経分化
,
リンパ球浸潤
,
悪性黒色腫
pp.460-462
発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100912
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5歳,女児.出生時より前額部に黒褐色で平坦な色素斑があった.4歳頃から色素斑は急速に隆起してきたため,当科を受診した.初診時,前額部に11×10mmの半球状に隆起した黒褐色の結節を認めた.結節の色調は一様でなく濃淡もみられたが,境界は明瞭で染み出しは認められなかった.悪性黒色腫も否定できないため全摘した.病理組織学的に腫瘤は左右対称の構築を有し,異型性を伴わない母斑細胞が表皮真皮境界部から真皮にかけて増生していた.複合型の先天性色素性母斑と診断した.臨床像や急激に隆起した経過が非定型的であった.さらに,B型母斑細胞とC型母斑細胞の境界が比較的明瞭であった点,膠原線維様の線維束が著明に増生している点,真皮深層にリンパ球の密な浸潤が認められる点が特異であった.
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