特集 ピロリ菌陰性者にみられる胃疾患の診かた― 胃癌を中心に
7 .H. pylori 未感染胃癌(未分化型胃癌)
山本 頼正
1
,
堀内 裕介
2
,
藤崎 順子
2
1昭和大学藤が丘病院消化器内科
2がん研有明病院上部消化管内科
キーワード:
H. pylori 未感染
,
未分化型早期胃癌
,
印環細胞癌
,
遺伝性びまん性胃癌
Keyword:
H. pylori 未感染
,
未分化型早期胃癌
,
印環細胞癌
,
遺伝性びまん性胃癌
pp.1471-1478
発行日 2017年9月20日
Published Date 2017/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000127
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H. pylori 未感染胃癌は相対的に未分化型癌の頻度が高いが,その原因は明らかになっていない.原因の一つに遺伝子異常があり,E‒cadherin遺伝子変異を示すhereditary diffuse gastriccancer(HDGC)が報告されている.未分化型のH. pylori 未感染胃癌は,平均年齢53.4 歳で,男女比はほぼ同数,胃中・下部の10 mm 前後の褪色調,平坦・陥凹を示す印環細胞癌が多い.NBI 併用拡大内視鏡所見では,corkscrewpattern を示さず,窩間部開大を呈する病変も多い.Ki67 labeling index から増殖能が低いことが推測され,ESD の良い適応と考えられる.
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