特集 ピロリ菌陰性者にみられる胃疾患の診かた― 胃癌を中心に
3 .H. pylori 未感染者・既感染者の胃内視鏡所見
間部 克裕
1
,
西村 友佑
1
,
久保 公利
1
,
加藤 元嗣
1
1国立函館病院消化器科
キーワード:
H. pylori 未感染
,
H. pylori 既感染
,
内視鏡所見
,
RAC
,
地図状発赤
Keyword:
H. pylori 未感染
,
H. pylori 既感染
,
内視鏡所見
,
RAC
,
地図状発赤
pp.1443-1450
発行日 2017年9月20日
Published Date 2017/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000123
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H. pylori 感染率は40 歳代で20%以下,10 歳代では5%以下と若い世代ほど感染率が低下している.また,H. pylori 感染胃炎に対する除菌治療の保険適用拡大により既感染除菌後症例が増加している.胃がんリスクはH. pylori 感染か未感染か,萎縮の程度や肥厚性胃炎の有無によって大きく異なるため,胃内視鏡検査においてH. pylori 未感染と既感染・現感染を鑑別することはきわめて重要である.体下部から胃角小弯にRAC を認めた場合は未感染,地図状発赤を認めると既感染とする胃炎の京都分類により鑑別が可能であるが課題も指摘されている.本稿ではH. pylori 未感染者・既感染者の胃内視鏡所見を概説した.
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