特集 B 型肝炎Trends & Topics
3 .B 型肝炎ウイルス遺伝子型と予後
鈴木 文孝
1
1虎の門病院肝臓センター
キーワード:
B型肝炎ウイルス
,
遺伝子型
,
HBs抗原
,
インターフェロン
,
核酸アナログ
Keyword:
B型肝炎ウイルス
,
遺伝子型
,
HBs抗原
,
インターフェロン
,
核酸アナログ
pp.147-152
発行日 2020年1月20日
Published Date 2020/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001045
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HBVには9種類の遺伝子型(genotype)が存在する.これらのgenotypeは,世界的に分布の違いがあり,治療効果にも違いがある.日本ではgenotype Cの症例がもっとも多く,genotype B,Aの順である.genotypeの違いにより病態に違いが認められる.genotype Aでは成人後感染の慢性化例が多い.genotype Bでは,初診時HBe抗原陽性率が低く,組織像が軽い症例が多い.genotype Cでは,家族歴が認められ予後が悪いことがある.インターフェロン療法においてHBe抗原の陰性化,HBs抗原の陰性化にはgenotypeが関係する.エンテカビル治療ではHBs抗原陰性化にはgenotypeが関係する.このようにHBVのgenotypeは臨床経過やインターフェロン,核酸アナログ製剤などの抗ウイルス薬の治療効果に影響を及ぼしている.
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