B型肝炎の新たな治療展開
B型肝炎治療モニター B型肝炎ウイルスの遺伝子型(genotype)
田中 靖人
1
,
溝上 雅史
1名古屋市立大学 大学院医学研究科臨床分子情報医学分野
キーワード:
遺伝子型
,
肝炎-B型
,
B型肝炎ウイルス
,
肝細胞癌
,
発生率
Keyword:
Hepatitis B
,
Hepatitis B virus
,
Carcinoma, Hepatocellular
,
Genotype
,
Incidence
pp.659-664
発行日 2007年10月1日
Published Date 2007/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007346147
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B型肝炎ウイルス(HBV)は、A型からH型までの8つの遺伝子型(genotype)に分類されている。わが国ではgenotype C(HBV/C)がもっとも多いが、沖縄や東北地方では、HBV/B(Bj)の割合が高い。core promoter変異が高頻度にみられるHBV/Cは、HBV/Bに比較して病態が進行した症例が多く、治療適応となる場合も多い。B型急性肝炎の現況をまとめると、慢性肝炎と比べ外国株(とくにHBV/Ae)の割合が高く、性交渉による感染が主体である。日本を除くアジアに多いHBV/Ba(アジア型)は、precoreからcore領域が、予後不良と考えられているHBV/Cとウイルス遺伝子組換えを起こしており、遺伝子組換えがみられない日本独自のHBV/Bjと、臨床像が大きく異なる要因となっている。
©Nankodo Co., Ltd., 2007