特集 10年前の常識は非常識!?—イマドキ消化器診療にアップデート
疾患
B型肝炎,C型肝炎
長谷川 泉
1
1地域医療機能推進機構(JCHO)中京病院消化器内科
キーワード:
HBV
,
HCV
,
インターフェロン
,
IFN
,
核酸アナログ
,
NA
,
直接作用型抗ウイルス治療
,
DAA
Keyword:
HBV
,
HCV
,
インターフェロン
,
IFN
,
核酸アナログ
,
NA
,
直接作用型抗ウイルス治療
,
DAA
pp.127-132
発行日 2023年1月10日
Published Date 2023/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402228704
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B型肝炎,C型肝炎は肝炎ウイルス(hepatitis B virus:HBV,hepatitis C virus:HCV)による感染症である.慢性感染者では炎症は緩徐に進行し,高率に肝硬変や肝細胞癌(hepatocellular carcinoma:HCC)を発症する.HCCはわが国の死亡者数が第5位の癌である1).発癌の有無にかかわらず,いったん線維化が進行し肝機能が破綻すると,時に致命的ともなる肝疾患関連合併症を発症する.肝炎ウイルスを制御・駆除する目的は,こうした肝発癌および肝疾患関連死を抑止し患者のQOLを改善することにある.全世界で推定3億5,400万人がHBVまたはHCVに感染しているといわれ,WHOは2030年までにこれらの肝炎ウイルスの撲滅に向けての目標を設定・修正し,国単位で自国に即した目標を達成するよう勧告している2).本稿ではB型肝炎,C型肝炎について,治療の変遷および今後の展望について概説する.
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