特集 B 型肝炎Trends & Topics
9 .B 型慢性肝炎治療の肝発癌への影響
朝比奈 靖浩
1
1東京医科歯科大学消化器内科・肝臓病態制御学講座
キーワード:
B型肝炎
,
インターフェロン
,
核酸アナログ
,
肝癌
Keyword:
B型肝炎
,
インターフェロン
,
核酸アナログ
,
肝癌
pp.191-198
発行日 2020年1月20日
Published Date 2020/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001051
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
B型慢性肝疾患において,抗ウイルス療法によって肝発癌リスクを低減させることは最重要目標の一つである.これまでインターフェロンや核酸アナログ薬による治療を行うことにより発癌リスクが低減されることが示されている.しかし,抗ウイルス療法による発癌抑制効果は,臨床背景や宿主・ウイルス学的因子,および抗ウイルス療法の治療効果などに影響される.また,核酸アナログ治療によるウイルス複製の抑制が得られても肝発癌は完全には抑止されず,線維化進展例や血清AFP値低下不良例,およびメタボリック症候群合併例などではより慎重な発癌サーベイランスが必要である.今後ウイルス制御下における発癌リスクのさらなる同定とその対策,および発癌機序の解明が重要となる.
Copyright © 2020, Nihon Medical Centers, Inc. All rights reserved.