連載 薬の知識
ベドリズマブ(エンタイビオ®)
猿田 雅之
1
1東京慈恵会医科大学内科学講座消化器・肝臓内科
キーワード:
潰瘍性大腸炎
,
ベドリズマブ
,
エンタイビオ®
,
MAdCAM‒1
Keyword:
潰瘍性大腸炎
,
ベドリズマブ
,
エンタイビオ®
,
MAdCAM‒1
pp.1524-1528
発行日 2019年10月20日
Published Date 2019/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000976
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潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis;UC)の新規治療薬としてIgG1 ヒト化ヒトα4β7 インテグリンモノクローナル抗体ベドリズマブ(エンタイビオ®)点滴静注用が2018 年7 月に承認され,2018 年11 月に発売された.抗インテグリン抗体は,リンパ球が標的臓器である腸管に遊走して移行・侵入する際に必須となる細胞接着分子インテグリンを阻害することで,腸管へのリンパ球遊走を抑制して慢性炎症を制御する.とくに,α4β7 インテグリンに対するモノクローナル抗体ベドリズマブは,腸管に発現するMAd-CAM‒1 と特異的に結合する腸管親和性の高いリンパ球を標的とした薬剤であり,欧米ではすでにUC およびクローン病(Crohn’s disease;CD)に汎用されている.
本稿では,ベドリズマブの作用機序と効果について概説する.
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