特集 分子標的時代のIBD 診療 ―IBD の寛解導入,寛解維持の実践
2.クローン病に対する寛解導入と寛解維持(2)クローン病に対する寛解導入療法と薬剤の選択
杉山 浩平
1
,
那須野 正尚
1
,
田中 浩紀
1
,
加藤 正樹
1
,
宮川 麻希
1
,
本谷 聡
1
1札幌厚生病院IBD センター
キーワード:
クローン病
,
インフリキシマブ
,
アダリムマブ
,
ウステキヌマブ
,
ベドリズマブ
Keyword:
クローン病
,
インフリキシマブ
,
アダリムマブ
,
ウステキヌマブ
,
ベドリズマブ
pp.1220-1226
発行日 2020年8月20日
Published Date 2020/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001318
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本邦では軽症から中等症のクローン病において5‒アミノサリチル酸製剤や栄養療法が一般的であったが,経口ブデソニドが本邦でも使用可能となり欧米と同様に回腸から右側大腸の病変には第一選択になりうる.中等症以上には原則,全身性ステロイドが第一選択である.本邦で使用可能な生物学的製剤は4 種類あり,免疫調節薬併用の上乗せ効果が示されたのはインフリキシマブのみである.免疫調節薬併用の際にはNUDT15 遺伝子検査により脱毛や白血球減少のリスクを評価したうえで使用すべきである.生物学的製剤同士の直接比較試験はなく,肛門病変のエビデンスも不足しており,real‒world データの集積が期待される.
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