特集 遭遇の機会が増えたIPMN/膵囊胞―現状と課題
2 .IPMN/膵囊胞の診療(9)小膵囊胞の観察法
笹平 直樹
1
,
武田 剛志
1
,
金田 遼
1
,
松山 眞人
1
,
佐々木 隆
1
,
尾阪 将人
1
1がん研究会有明病院肝胆膵内科
キーワード:
膵囊胞
,
分枝型IPMN
,
IPMN 並存癌
Keyword:
膵囊胞
,
分枝型IPMN
,
IPMN 並存癌
pp.1507-1513
発行日 2019年10月20日
Published Date 2019/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000973
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偶発的に診断される小さな膵囊胞は分枝型IPMN 初期病変の可能性が高い.IPMN に関連した膵癌として,IPMN 由来癌とIPMN 並存癌がある.IPMN の進行に伴って出現する由来癌と異なり,IPMN の進行度と関係なく突然出現する並存癌は,IPMN 初期病変からでも起こりうる,その頻度は年率0.5%程度と決して高くはないが,出現する膵癌は,ステージⅠからⅣまでわずか1 年であるため,年1 回の検診で早期に発見することは困難である.腹部超音波,造影CT,MRCP,超音波内視鏡のなかから患者に合った検査法を年2 回行い,既知の囊胞の大きさのほか,腫瘤の出現や,膵管狭窄や拡張などの二次的所見に注意する.
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