特集 胆道・膵疾患を診る―早期診断・早期治療のために
胆膵実地診療のコツ
膵囊胞,次に何をする?
松原 三郎
1
,
中川 慧人
1
,
須田 健太郎
1
,
大塚 武史
1
,
名越 澄子
1
1埼玉医科大学総合医療センター 消化器・肝臓内科
キーワード:
膵囊胞
,
分枝型膵管内乳頭粘液性腫瘍
,
粘液性囊胞腫瘍
,
漿液性囊胞腫瘍
Keyword:
膵囊胞
,
分枝型膵管内乳頭粘液性腫瘍
,
粘液性囊胞腫瘍
,
漿液性囊胞腫瘍
pp.37-40
発行日 2022年7月1日
Published Date 2022/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_37
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Summary
▪近年の画像診断技術の進歩により膵囊胞が偶発的に発見される機会が増加している.そのうちの多くは良性の分枝型膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)または非特異的な囊胞と考えられ,経過観察でよい.
▪分枝型IPMNの一部や粘液性囊胞腫瘍(MCN),そして充実性腫瘍が囊胞変性したものの多くは悪性または境界悪性病変であり,切除が必要となる.膵囊胞の初回指摘の際には安易に経過観察とせず,消化器内科に紹介のうえ,EUSを含めた精密検査を行うことが望ましい.
▪分枝型IPMNや非特異的囊胞は囊胞の悪性化の可能性だけでなく,通常型膵がんの危険因子でもあることから,定期的な膵全体のサーベイランスが必要である.
© Nankodo Co., Ltd., 2022