特集 膵疾患に対する内視鏡診療のすべて
膵疾患に対する内視鏡診断 膵囊胞性腫瘍(特にIPMN)に対する内視鏡診断
潟沼 朗生
1
,
中村 里紗
,
安藤 遼
,
清水 孝夫
,
豊永 啓翔
,
石井 達也
,
金 俊文
,
林 毅
,
高橋 邦幸
1手稲渓仁会病院消化器病センター
キーワード:
鑑別診断
,
膵臓腫瘍
,
膵囊胞
,
内視鏡的逆行性胆道膵管造影
,
超音波内視鏡検査
,
膵管内腫瘍
,
粘液性囊胞腫瘍
Keyword:
Endosonography
,
Diagnosis, Differential
,
Cholangiopancreatography, Endoscopic Retrograde
,
Pancreatic Intraductal Neoplasms
,
Pancreatic Cyst
,
Pancreatic Neoplasms
pp.1393-1398
発行日 2021年9月25日
Published Date 2021/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2021368612
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膵囊胞性疾患は腫瘍性囊胞と非腫瘍性囊胞に大別される。腫瘍性囊胞の代表的なものはIPMN(膵管内乳頭粘液性腫瘍)、MCN(粘液性囊胞腫瘍)、SCN(漿液性囊胞腫瘍)であり、さらに囊胞の形態を呈することがある充実性腫瘍の囊胞変性をきたすSPN(充実性偽乳頭状腫瘍)や膵内分泌腫瘍が含まれる。非腫瘍性囊胞には囊胞内面に上皮を有する貯留囊胞と上皮を有さない仮性囊胞があげられる。膵囊胞性疾患の内視鏡診断は空間分解能が高いEUSが最も有用であり、囊胞の個数、形状、囊胞壁の状態、囊胞内部の状態をよく観察できる。さらにtissue harmonic echoなどの新たな技術が開発されている。ERCPも膵囊胞診断において重要な役割を果たす。囊胞と主膵管との交通の有無や細胞診・組織診断が可能であるが、ERCP後膵炎には注意が必要である。しかし内視鏡診断にはその限界もあり、USやCT、MRIなどにより総合的な判定が必要である。
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