炎症性腸疾患診療のupdate
Ⅴ 炎症性腸疾患の内科治療 ⑤免疫抑制薬―シクロスポリン,タクロリムス
仲瀬 裕志
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1札幌医科大学消化器内科学講座
キーワード:
カルシニューリン
,
NFAT
,
重症潰瘍性大腸炎
,
トラフ値
,
寛解導入
Keyword:
カルシニューリン
,
NFAT
,
重症潰瘍性大腸炎
,
トラフ値
,
寛解導入
pp.822-826
発行日 2019年5月25日
Published Date 2019/5/25
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000809
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炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease;IBD)に対する免疫抑制薬の治療効果に関しては,1960 年代後半から1970 年代初頭に報告されはじめた.本邦においても炎症性腸疾患患者の増加に伴い,難治例に対して免疫抑制薬を使用する頻度が増加している.カルシニューリン阻害薬であるシクロスポリン,タクロリムスは難治性および重症潰瘍性大腸炎の寛解導入として有効な薬剤である.上記の薬剤の治療効果が最大限に発揮され,副作用を予防するためには,血中濃度(トラフ値)を測定することが重要である.近年,カルシニューリン阻害薬は,抗接着分子阻害薬との併用により活動性IBD 患者の寛解導入薬としての役割に注目がおかれてきている.
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