炎症性腸疾患診療のupdate
Ⅴ 炎症性腸疾患の内科治療 ④免疫調節薬―アザチオプリン(AZA),6‒メルカプトプリン(6‒MP)
鈴木 康平
1,2,3
,
長堀 正和
1,3
,
渡辺 守
1,3
1東京医科歯科大学消化器病態学
2東京医科歯科大学光学医療診療部
3東京医科歯科大学潰瘍性大腸炎・クローン病先端治療センター
キーワード:
アザチオプリン
,
6—メルカプトプリン
,
NUDT15
Keyword:
アザチオプリン
,
6—メルカプトプリン
,
NUDT15
pp.817-821
発行日 2019年5月25日
Published Date 2019/5/25
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000808
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炎症性腸疾患(IBD)における免疫調節薬(IM)にはチオプリン製剤であるアザチオプリン(AZA),6‒メルカプトプリン(6‒MP)がある.元来は小児の白血病治療薬として開発され,その後1960 年代よりIBD に使用が開始された.現在では潰瘍性大腸炎(UC)およびクローン病(CD)に広く使用されており,その有効性はステロイド依存および抵抗性に対する寛解維持薬としておもに位置づけられている.一方で寛解導入効果に対しては,その効果を疑問視する報告がある.さらに抗体製剤の登場によりIM は中和抗体産生の抑制として新たなポジショニングを獲得している.しかし至適量においては個人差が大きく,副作用出現の用量範囲が異なり,近年報告されているNUDT15 変異による重篤な副作用出現の可能性からも使用を躊躇する医師が多く認められる.
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