炎症性腸疾患診療のupdate
Ⅴ 炎症性腸疾患の内科治療 ⑥抗TNF‒α抗体製剤―インフリキシマブ
伊藤 裕章
1
1錦秀会インフュージョンクリニック
キーワード:
インフリキシマブ
,
抗TNF—α抗体製剤
,
クローン病
,
潰瘍性大腸炎
Keyword:
インフリキシマブ
,
抗TNF—α抗体製剤
,
クローン病
,
潰瘍性大腸炎
pp.827-832
発行日 2019年5月25日
Published Date 2019/5/25
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000810
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インフリキシマブ(IFX)はヒトTNF‒α特異的なマウス可変領域とヒトIgG1 定常領域を有するキメラ型モノクローナル抗体で,炎症性腸疾患(IBD)の治療薬としては最初に承認された抗体製剤である.抗体のヒト型化技術は古いが,新しい抗体製剤が発売された今もなお大きな存在感を示している.IFX の登場はそれまでのステロイドや,ことに本邦では栄養療法中心であったクローン病(CD)治療を塗り変え,患者のQOL を向上させ,治療目標を症状の寛解から内視鏡的治癒へと変えた.本邦では2002 年5 月にCD 治療薬として発売され,当初は活動性CD に単回投与,外瘻を有するCD に0,2,6 週の3 回投与のみで出発したが,2007 年11 月に8 週ごとの維持療法が承認され,2010 年6 月に潰瘍性大腸炎(UC)の適応が追加された.
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