特集 十二指腸上皮性非乳頭部腫瘍の診療を巡って―現状と課題
4 .十二指腸上皮性非乳頭部腫瘍の治療を巡って(1)十二指腸上皮性非乳頭部腫瘍に対する外科治療―縮小手術を中心に
阿部 展次
1
,
橋本 佳和
1
,
竹内 弘久
1
,
鈴木 裕
1
,
阪本 良弘
1
,
森 俊幸
1
1杏林大学医学部外科
キーワード:
十二指腸腫瘍
,
上皮性腫瘍
,
縮小手術
Keyword:
十二指腸腫瘍
,
上皮性腫瘍
,
縮小手術
pp.1253-1262
発行日 2018年8月20日
Published Date 2018/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000499
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本稿では腺腫や粘膜下層浸潤までの癌を表在性十二指腸上皮性非乳頭部腫瘍(superficial non—ampullary duodenal epithelial tumor;SNADET)として取り扱い,SNADETの外科治療,とくに縮小手術に関して述べた.腺腫やリンパ節転移のないM癌のうち,腫瘍径が大きいものや,乳頭に近接あるいは表層進展しているもの,遠位に存在するもの,内視鏡操作に制限が加わるもの,などが内視鏡的切除困難病変であり,縮小手術の良い適応となる.十二指腸の縮小手術法には,経十二指腸的切除術(±乳頭切除),全層部分切除術,十二指腸切除術(胃切除併施や膵温存術式を含む),分節切除術(膵温存術式を含む)などが挙げられ,いずれも腹腔鏡補助下アプローチが可能である.また,ESD+腹腔鏡下漿膜側補強縫合という新しい術式も登場している.リンパ節転移の可能性を無視できるSNADETのほとんどで,これら縮小手術が適応でき,膵頭十二指腸切除術が必要な局面は少ない.
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