特集 十二指腸上皮性非乳頭部腫瘍の診療を巡って―現状と課題
4 .十二指腸上皮性非乳頭部腫瘍の治療を巡って(7)偶発症予防対策:OTSC
村元 喬
1
,
大圃 研
1,2
,
港 洋平
1
,
里館 均
3
,
松橋 信行
1
1NTT東日本関東病院消化器内科
2NTT東日本関東病院内視鏡部
3NTT東日本関東病院外科
キーワード:
SNADET
,
内視鏡治療
,
OTSC
,
潰瘍底縫縮
,
遅発性穿孔
Keyword:
SNADET
,
内視鏡治療
,
OTSC
,
潰瘍底縫縮
,
遅発性穿孔
pp.1295-1306
発行日 2018年8月20日
Published Date 2018/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000505
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表在性非乳頭部十二指腸腫瘍(superficial nonampullary duodenal epithelial tumor;SNADET)に対する内視鏡治療(endoscopic resection;ER)は,治療そのものの難易度が高いだけではなく,切除後の潰瘍底に胆汁・膵液が曝露することで生じる遅発性穿孔や後出血が問題となる.したがって,安全にERを行うためには,切除後の潰瘍底を確実に縫縮することが必須である.潰瘍底の縫縮に関してわれわれは,2016年4月よりOTSC®(Over—The—Scope Clip)システムを積極的に導入し,その有用性や安全性について報告してきた.OTSCによる潰瘍底の縫縮は強力かつ簡便であり,遅発性穿孔や後出血といった術後の偶発症に対して有用な手段と考えられる.潰瘍底の縫縮法の一つとして,OTSCの特徴や実際の手技を理解しておくことは,SNADETに対して内視鏡治療を行ううえで肝要である.
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