十二指腸腫瘍性病変に対する診療の進歩
治療戦略 私たちはこうしている 表在性非乳頭部十二指腸腫瘍に対する縮小手術
阿部 展次
1
,
橋本 佳和
,
大木 亜津子
,
竹内 弘久
,
長尾 玄
,
鈴木 裕
,
正木 忠彦
,
森 俊幸
,
杉山 政則
,
水野 英彰
,
堀合 真市
1杏林大学 医学部外科
キーワード:
十二指腸鏡法
,
十二指腸腫瘍
,
膵頭十二指腸切除
,
腹腔鏡法
,
小腸切除
,
内視鏡的粘膜切除術
Keyword:
Endoscopic Mucosal Resection
,
Duodenoscopy
,
Duodenal Neoplasms
,
Laparoscopy
,
Pancreaticoduodenectomy
pp.1631-1638
発行日 2014年10月20日
Published Date 2014/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015053664
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表在性非乳頭部十二指腸腫瘍に対するわれわれの考えている治療戦略と,経験してきた縮小手術に関して概説した.リンパ節転移のない病変は内視鏡的切除を第一に考慮するが,技術的にこれが困難と考えられたものは外科的切除の方針としている.どのような手術を選択するかは,腫瘍局在や腫瘍径,深達度,乳頭との位置関係などを参考に決定しているが,極力臓器を温存した縮小手術(経十二指腸的切除術や全層部分切除術)を適用している.また,腹腔鏡手術(腹腔鏡・内視鏡合同手術を含む)を応用するのであれば,粘膜下腫瘍など腫瘍細胞散布が起こりにくいものを適応とするか,腺腫や腺癌であれば腹腔鏡補助下手術として十二指腸開放操作は創外で行うようにしている.一方,リンパ節転移の可能性がある粘膜下層浸潤癌やNET(neuroendocrine tumor)は膵頭十二指腸切除術などのリンパ節郭清を付加した手術を標準治療と位置づけているが,10mmを超えないNETなどではリンパ節術中迅速病理診断などを併用した縮小手術を適応できる可能性もあると考えている.
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