特集 自己免疫性膵炎(AIP)
7 .自己免疫性膵炎のCT,MRIの特徴的所見
井上 大
1
,
戸島 史仁
1
,
米田 憲秀
1
,
北尾 梓
1
,
小森 隆弘
1
,
蒲田 敏文
1
1金沢大学附属病院放射線科
キーワード:
自己免疫性膵炎
,
IgG4 関連疾患
,
CT
,
MRI
Keyword:
自己免疫性膵炎
,
IgG4 関連疾患
,
CT
,
MRI
pp.197-202
発行日 2018年1月20日
Published Date 2018/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000229
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自己免疫性膵炎は臨床,画像,病理所見を総合して診断されるが,そのなかでも画像検査は病変の検出や鑑別診断において重要な役割を担っている.典型像に関してはびまん性の膵腫大やcapsule‒like rim といった特徴的な所見を呈し,血清IgG4 測定と併せて容易に診断可能であるが非典型例も存在し,そういった症例においては他疾患,とくに膵癌との鑑別が問題となる.これまでspeckled enhancement や後期相の均一な濃染,duct‒penetrating sign といった所見が報告され,鑑別の一助となるが画像のみでの鑑別が困難な症例においてはEUS‒FNA などでの積極的な診断が必要となる.また自己免疫性膵炎は涙腺,腎臓,大動脈など全身臓器に病変を形成するIgG4 関連疾患の膵病変としての一面ももち合わせており,臨床医は膵臓のみでなく,膵外病変の画像所見にも精通しておく必要がある.
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